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TITLE NOV./2006 P52

植田 実
INVITATION TO HOUSE TOUR


「HOUSE O」

植田さん、こっそり感想を聞かせてください。
4人の若手建築家とその作品の出会いに、敏腕編集者は何を見たのでしょう・・・・・。


押尾章治さんの<HOUSE O>を訪ねて、リビング・ダイニングが一続きになった筒型の部屋について「住宅から外れたスケールをひとつ入れてあげたかった」という説明を受け、その長さ15mと聞いたとき、私がすぐ思い出したのは安藤忠雄設計の<細工谷の家>という町屋だった。
間口3.5m、奥行き15mのウナギの寝床みたいな中に、食堂も寝室群もギチギチに詰め込んでいる。しかもその隙間に吹抜けをちゃんと確保しているうえに最上階には端から端まで見通せるテラスがある。「15m!キャッチボールだってできますよ」と、安藤さんは笑っていた。20年前の住宅である。さらにその10年前、安藤さんと同い年の長谷川逸子設計の<緑ヶ丘の住宅>では、矩形コンクリートの箱に斜めの仕切り壁を入れ、これに続く<柿生の住宅>ではL字形に湾曲する一続きの部屋がつくられている。こうした設計について長谷川さんは「ただ空間としての距離を採り入れるつもりはなく、時間のなかでの身体と建築の複雑な対応関係を組み込みたかった」と説明している。
押尾さんの設計に対して、先例があるというのではない。限られた規模のなかで、型にはまった住宅形式から逃れるためのスケールづくり、どの時代でも建築家は考え抜いてきた。それが設計だといってもいい。だからこそそれぞれの時代状況を敏感に、正確に反映している。
安藤さんや長谷川さんの住宅はあの時代のものだし、押尾さんの住宅は否応なく現在に属している。TNAによる<輪の家>も、連想したのは土浦亀城の設計した<徳田ビル>。75年前のポイント・タワーで四隅の構造柱を外壁から後退させ、角を丸めているから、交互に重ねられた帯状の腰壁とガラス面がまさに輪の積層になっている。しかしそれはあくまで正統モダニズムの、あくまで「建築」なのだ。
若い世代の建築家による住宅を訪ねて思うのは、これまでのオリジナリティといわれる建築家の存在価値とは、全く違う状況の中で設計をしているという実感がある。感性の規模が、途方もなく広がってきているなかでの建築思考。添田さんが言っていた。「安藤さんの極めたコンクリートの美しさの先は何か」と。
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